赤ちゃんがいます。
About Human Milk Bank母乳バンクについて
母乳バンクは、ご自身のお子さんが必要とする以上に母乳がたくさん出るドナーよりご寄付いただいた母乳を、
適切に低温殺菌処理・細菌検査・冷凍保管し、NICU(新生児集中治療室)の要請に応じて、
「ドナーミルク」として早産・1,500g未満の極低出生体重の赤ちゃんに提供する仕組みです。
1909年に世界初の母乳バンクがウィーンで誕生して以来、現在66か国750か所以上(※)の⺟乳バンクがあります。
※Fang MT, et al. Developing global guidance on human milk banking. Bull World Health Organ 99, 892–900, 2021.
【資料】
『ちいさく生まれた赤ちゃんのためのドナーミルクを知っていますか?』
- ⽇本の⺟乳バンクは、⼀般財団法⼈⽇本財団⺟乳バンクと⼀般社団法⼈⽇本⺟乳バンク協会の2つの法人が「日本橋母乳バンク」(運営:一般社団法人日本母乳バンク協会)、「日本財団母乳バンク」・「藤田医科大学病院日本財団母乳バンク」(運営:一般財団法人日本財団母乳バンク)の3つの母乳バンク拠点の運営を担っています。
- ⽇本財団⺟乳バンクは、⽇本⺟乳バンク協会と協⼒しながら、⺟乳バンクの普及に努めています。
Why do babies need donor milk?なぜ「ドナーミルク」が必要なのでしょう?
⾚ちゃんの腸を
早く成熟させてくれる
物質が含まれています。
⺟乳には早産や極低出生体重で生まれた⾚ちゃんの腸を早く成熟させる物質が含まれています。
しかし、早産の場合、なんらかの理由で母乳が出ない、または出ても赤ちゃんにあげられないケースがあります。
そんな時、⺟乳があげられるようになるまでの間をつなぐのが「ドナーミルク」です。
現在では、⽣まれたときの体重が1,000グラムに満たない未熟な⾚ちゃんが助かる時代になりましたが、
そんな⾚ちゃんたちの⽣死にかかわるのが壊死性腸炎という腸の⼀部が壊死してしまう病気です。
壊死性腸炎は、⺟乳で育てたときよりも粉ミルクで育てたときのほうが⾼い確率で起こることがわかっています。
ドナーミルクは、早産や極低出生体重の⾚ちゃんの腸を少しでも早く成熟させ、
その赤ちゃんの命と将来にわたる健康を促進する役割を担っているのです。
未熟な赤ちゃんの免疫力を高め壊死性腸炎・慢性肺疾患・未熟児網膜症等の疾病を防ぐことができる。
静脈栄養期間の短縮・⼊院期間の短縮により赤ちゃんとその家族の負担を軽減できる。
未熟な⾚ちゃんに最善の栄養を与えられ、⻑期予後の改善ができる。
母乳バンクが必要な方の
事例
超低出生体重児
⾚ちゃんは500g未満での出生、⺟親が精神疾患で⺟乳の意欲なし
超低出生体重児
赤ちゃんは500g未満での出生、母親が感染症のため母乳を断念
超低出生体重児
赤ちゃんは700g未満での出生、母親が子宮頚癌であり、抗癌剤治療を開始するにあたって断乳するため
超低出生体重児
赤ちゃんは900g未満での出生、母親が高齢初産のため分泌が少なく、母乳不足と双胎だった
Our Role日本財団母乳バンクの
役割とは
⼀般財団法⼈⽇本財団⺟乳バンクでは、日本において年間に必要とされている5,000⼈の早産児・極低出生体重児のドナーミルクを
適切に低温殺菌処理・冷凍管理し、安全に提供できる体制を構築することを⽬標に活動しています。
また、ドナーミルクの栄養価や早産児・極低出生体重児の経腸栄養に効果的な⽣理活性物質量も測定分析することで、
オーダーメイドのドナーミルクを提供できる研究体制を構築しています。
国内ニーズを満たす年間5,000⼈分の低温殺菌処理されたドナーミルクを安定的に提供できる体制を構築します。
早産児・極低出生体重児の成長を促すドナーミルクの栄養価や⽣理活性物質量を測定分析することで、オーダーメイドのドナーミルクを提供できる研究体制を構築します。
より多くの赤ちゃんの命を守るために、母乳バンクの活動をウェブサイトやイベントなどで発信していきます。