災害時、乳児は感染症などに罹患しやすく、その予防のために母乳栄養の継続が推奨されています。しかし、災害時には母子分離の発生やストレスによる母乳分泌の低下など、様々な要因で直接授乳が困難になる場合があります。
凍結乾燥によって母乳中の水分を除去することで、常温での長期保存が可能となり、災害時でも母乳栄養を継続できる可能性があります。海外には、提供された母乳を低温殺菌後に凍結乾燥し、粉末として保存・配送している母乳バンクも存在します。粉末母乳の長期保存実験を行った上で品質に問題がないことが確認されれば、災害時にはウシ由来の粉ミルクではなく、備蓄した粉末母乳を利用できるようになるかもしれません。


