現在、日本の母乳バンク利用マニュアルでは、ドナーミルク解凍後の冷蔵保存期間について24時間と規定しており、期限を過ぎたドナーミルクはNICUで廃棄されています。一方で、最新の北米母乳バンク協会ガイドラインでは、解凍後保存期間を48時間と規定しており、海外の一部の母乳バンクでも48時間に改訂されています。私たちはドナーミルク解凍24時間後及び48時間後の母乳成分、細菌数を比較し、48時間後でも品質に問題がないことを確認しています。今後、近いうちに日本でもガイドラインを改訂することで、NICUでのドナーミルク廃棄量削減につながると考えられます。
ドナーミルクの使用期限に関しては、現在は搾乳日から6か月と規定されています。私たちは搾乳日から6, 9, 12か月時点での母乳成分と細菌数の比較を行っており、今後、使用期限を延長することでドナーミルクの廃棄量削減が期待されます。また現在は搾乳日から3か月以内の母乳のみをご提供いただいていますが、使用期限を延長することができれば、それ以前に搾乳した冷凍母乳も送っていただけるようになると考えられます。