ドナーへの衛生指導の一環として、微酸性次亜塩素酸水を使用した乳房清拭による母乳中の細菌数減少効果を検証しました。微酸性次亜塩素酸水は薄めた塩酸を電気分解して生成された“次亜塩素酸を含む微酸性水”で、芽胞形成菌を含む幅広い微生物に対する殺菌効果、高い生体安全性が認められ、食品添加物にも指定されています。
母乳中細菌数が多いドナーに微酸性次亜塩素酸水を提供し、清拭を行った後に搾乳した結果、使用後は使用前と比較して総細菌数、菌種数ともに減少し、細菌培養検査基準に合格するドナーの割合が増加しました。また母乳成分に変化はなく、肌荒れなどの有害事象の報告もありませんでした。微酸性次亜塩素酸水による乳房洗浄は実用的な衛生対策となりうる可能性があり、貴重な搾母乳の廃棄削減に寄与すると考えられます。