早産児における経母乳サイトメガロウイルス(CMV)感染は、敗血症様症状などの重篤な急性症状や後遺症を引き起こすリスクがあります。母乳バンクではその対策として低温殺菌処理を行っていますが、生理活性物質への影響も少なくないため、母乳成分に対する影響がより少ない感染対策を検討していく必要があります。私たちはその対策の一つとして、電子レンジ(500W・40秒間)による加熱が母乳中CMVの感染性を抑制することを報告しています(Mikawa T et al., Pediatr Int, 2019)。今後、電子レンジ処理が母乳成分に及ぼす影響などについても調べることで、臨床応用の可能性を検討していきます。
また、母乳へのCMV移行量の日内・日間変動についてもまだ知見が少ないため、検討を行っています。

