Message医療関係者の方へ
ドナーミルクの使用をご検討されている医療関係者、医療施設の皆さまへ。
日本財団母乳バンクでは、2022年4月よりご登録いただいた施設に初年度無償でドナーミルクの提供を行います。
まずはドナーミルク使用施設登録を行ってください。
担当者よりご連絡し、同意書の記入をもって施設登録を完了いたします。
そして、ドナーミルクが必要となりましたら、ドナーミルク注文フォームでお申し込みください。
必要情報照会後、迅速にドナーミルクの発送を行います。
※初年度1年間無償提供後、2年度目からのドナーミルク使用施設会費については『賛助会員規程』をご参照ください。
Our Role日本財団母乳バンクの
役割とは
⼀般財団法⼈⽇本財団⺟乳バンクでは、日本において年間に必要とされている5,000⼈の早産児・極低出生体重児のドナーミルクを
適切に低温殺菌処理・冷凍管理し、安全に提供できる体制を構築することを⽬標に活動しています。
また、ドナーミルクの栄養価や早産児・極低出生体重児の経腸栄養に効果的な⽣理活性物質量も測定分析することで、
オーダーメイドのドナーミルクを提供できる研究体制を構築しています。
国内ニーズを満たす年間5,000⼈分の低温殺菌処理されたドナーミルクを安定的に提供できる体制を構築します。
早産児・極低出生体重児の成長を促すドナーミルクの栄養価や⽣理活性物質量を測定分析することで、オーダーメイドのドナーミルクを提供できる研究体制を構築します。
より多くの赤ちゃんの命を守るために、母乳バンクの活動をウェブサイトやイベントなどで発信していきます。
Advantagesドナーミルクを
導入するメリット
ドナーミルク導入のメリットは、小さな赤ちゃんの身体に負担をかけずに最適な栄養を与えられることです。
加えて、何らかの理由で母乳をあげることのできないお母さんの身体的、精神的な負担を減らすことができます。
ドナーミルクを導入した施設では、「もうドナーミルクなしの体制には戻れない」とその高い効果を実感いただいています。
開始できる
出産後何らかの理由でお母さんの母乳が出ない場合には、お母さんの母乳が出るまでの期間を待つことなく、すぐに赤ちゃんへの経腸栄養を開始できます。
与えられる
1回に出る母乳の量にかかわらず、その赤ちゃんにとっての適切な量の栄養をあげることができます。また、お母さんが治療等のために母乳を与えることができない場合にも、人工乳ではなくドナーミルクのほうが赤ちゃんに良い場合も少なくありません。
減らすことができる
人工乳(粉ミルク)とドナーミルクを比較した場合、人工乳の方が、1.87倍の壊死性腸炎(※1)にかかるリスクが高くなってしまいます。ドナーミルクの使用で壊死性腸炎のリスクを減らすことができます。
※1:Quigley M et al., Cochrane Database of Systematic Reviews, 2019
DOI: 10.1002/14651858.CD002971.pub5
短縮できる
早くから経腸栄養を始めることができる場合には、静脈栄養期間の短縮につながり赤ちゃんの負担を減らすことができます。(※2)
※2:Oikawa K et al., Pediatrics International, 2021
DOI: 10.1111/ped.15071
赤ちゃんに対応できる
難治性下痢症やミルクアレルギーの赤ちゃんは、身体が人工乳を受け付けません。このような場合に、かつお母さんの母乳が足りない時、ドナーミルクは最適です。
減らすことができる
早産となった場合や帝王切開の場合、様々な要因やストレスでお母さんの母乳が出にくい状態となることもあります。お母さんたちの身体的な負担と精神的なプレッシャー、それらをドナーミルクは軽くすることができます。
Donor Milk Requestドナーミルクの要請
ドナーミルクの使用をご検討されている医療関係者、医療施設の皆さまへ。
日本財団母乳バンクでは、ご希望の施設に初年度無償でドナーミルクの提供を行っております。
まずは、以下よりドナーミルク使用施設登録を行ってください。
担当者よりご連絡し、同意書の記入をもって施設登録を完了いたします。
その後、ドナーミルクが必要となりましたら、以下のドナーミルク注文フォームにてお申込みください。
必要情報照会後、迅速にドナーミルクの発送を行います。
※初年度1年間無償提供後、2年度目からのドナーミルク使用施設会費については『賛助会員規程』をご参照ください。
現在、日本財団母乳バンクからドナーミルクを提供している病院は以下の通りです。
(※都道府県順)
Delivery of Donor Milk to Babies母乳バンクから母乳が赤ちゃんに届くまでの流れ
- 01ドナーが発送した冷凍母乳(ドナーミルク)が溶けていないか確認。
- 02ドナーミルクを入れた容器やバッグ(ドナーミルクパック)に傷など破損がないか確認。
- 03ドナーミルクパックの一つ一つをアルコール綿で拭き取りながら、目視で異物の混入がないか確認。
- 04冷凍のまま冷凍庫(マイナス20℃以下)で保存。
- 01清潔なフラスコに解凍したドナーミルクパックを全量投入。
- 02この一部を清潔に採取し、細菌検査。
- 03撹拌したのちに容器に分けて密閉。
- 0462.5℃で30分の低温殺菌処理。
- 05その後、小さな容器に分けて冷凍保存。
- 06細菌検査の結果、使用可能と判断されたドナーミルクのみ専用の冷凍庫に保存。
- 低温殺菌処理前でも、病原菌が検出された場合にはドナーミルクとして使用しません。
- 低温殺菌処理後の細菌検査では、いかなる菌も培養されないことがドナーミルク使用の条件となります。
- 低温殺菌したドナーミルクの使用期限は、搾乳日から6か月以内となります。期限内に使用しなかった場合、ドナーミルクは廃棄されます。
- 母乳バンクは定期的に感染制御の専門家のチェックを受け、衛生的な環境を維持しています。
- 当母乳バンクは北米母乳バンク協会(HMBANA)の施設基準を満たしています。
- ドナーミルクには、処理時に発行するバッチ番号がついています。
- ドナーミルクを与えられる赤ちゃんの記録には、どのバッチ番号がついたドナーミルクがどれくらい与えられたかも記載されます。
- これによって、もし問題が起こった場合にどの母乳が与えられたか追跡できます。
- 01NICU等の各施設から当母乳バンクにドナーミルクの要請。
- 02当母乳バンクから各施設へ配送。
- 03各施設にて-20℃で保管。
- 04赤ちゃんの担当医がドナーミルクの必要性を考慮し、両親にドナーミルクについて説明し、文書での同意を取得。
- 05ドナーミルクを赤ちゃんに投与。
- 01担当看護師は医師とともに、ドナーミルクを与えようとしている赤ちゃんが、「両親の同意が得られているレシピエント」であることを確認。
- 02担当医と看護師が容器に貼付されているバッチ番号と使用期限を確認し、担当医はその赤ちゃんの診療録にそのバッチ番号を記載。
- 03ドナーミルクを解凍し、哺乳瓶に分注する際、その赤ちゃんに用いるドナーミルクであることがわかるように看護スタッフがダブルチェック。
- 04バッチ番号ごとに何ミリリットル与えられたかがわかるように、診療録に記載。